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2030年 世界はこう変わる アメリカ情報機関が分析した「17年後の未来」

   

この本は、アメリカ国家情報会議が、大統領選挙に当選した直後の新任大統領に提出したレポートの簡易版です。内容は、国内情勢と国際情勢を中長期的に分析し、10年後20年後の未来予測の可能性を記したものとなっています。

グローバル企業において、経営企画室などの中期経営計画を立案するセクションに所属するビジネスマンにはぜひ読んで欲しい1冊となります。

「2030年の世界」を決める構造変化

2030年の世界の構造を決定づけるメガトレンドとして、主に次の要素を挙げており、今後15年から20年で動きがますます顕在化し、数値でわかる形で世界を変化させていくと予見しています。

個人の力の拡大

「個人の力の拡大」はメガトレンドのなかで、もっとも重要な動きです。

個人の力が拡大すれば、世界経済が拡大するきっかけになるし、新しいコミュニケーションツールや生産技術が広まるという結果をもたらします。

一方、個人や政府ではない小さな集団が大量の人々の命を奪うようなサイバー技術やバイオ技術を手に入れる危険性もあります。

相対的に先進国の力は弱まる

また、個人の力が拡大すれば、貧困層が縮小し、世界的に中間所得層が劇的に増えますので、先進国の力は相対的に弱くなり、とくにアジアの中間層の発言力が強まると予測されます。

そして、スマートフォンのような第二世代の携帯技術の登場や、フェイスブックやツイッターといったソーシャルメディアの存在によって、個人の力がますます強くなります。

イスラム今日社会の変革

とりわけ、現在は不十分な教育しか受けることのできないイスラム教の世界の女性たちが、ソーシャルメディアを積極的に活用し「女性の権利」「男女同権」などの問題が活発に議論しており、2030年までに保守的なイスラム教社会の政府が変革を求められる可能性があります。

権力の拡散

2030年までには、一国で国際社会をリードするような覇権国は消滅します。 アメリカや中国はその役割を果たせません。

そして、発言権を持つ国家の数が増え、国家ではない非公式な団体やネットワークの発言力も増していきます。政治の場で、個人や民間の発言力が増すことは間違いありません。

2020年代には、中国はアメリカを抜き世界第一位の経済大国となりますが、その中国の地位は短命となる可能性があります。2030年の時点ではインドが、「世界経済の牽引役」と呼ばれる存在となっています。

一方、低成長を続けるヨーロッパや日本、ロシアの経済力は弱体化し、国際政治のパワーバランスは大きく変化します。

エネルギー問題

今後15年から20年間で世界のエネルギー需要が約50%増えると見込まれています。

そして、それに伴いエネルギー生産も増えると見込まれており、今後はOPECに加盟する主な産油国による増産だけでなく、新しい形のエネルギー生産が増えると見込まれます。

とくにアメリカは、今後10年から20年後には、安価なコストで生産可能なシェールオイルやシェールガスの生産によってエネルギー独立を実現できそうです。

この安価な国産エネルギーの登場は、アメリカ経済に好影響をもたらします。世界各国の企業は安いエネルギーを求めてアメリカに工場をおくようになり、アメリカのGDPを2%前後押し上げ、240万人以上の雇用を創出すると見込まれています。

 

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世界の流れを変える要素

最も不安な国、日本

急速な高齢化と人口の減少により、日本が長期的に経済成長を実現させる潜在力は、きわめて限定的です。

インドの躍進

世界銀行は、2025年までにインドが中国と並ぶ世界経済の「成長の柱」になると予想しています。そして、2030年頃、インドは日本やドイツを追い抜き、中国、アメリカに次ぐ経済大国となっているでしょう。

独裁から民主主義に移行中の国家は不安定

イスラム諸国で起きた「アラブの春」のように民衆が団結して独裁政権に立ち向かう動きが広がっています。

しかし、独裁政権から民主主義への移行期にあたる国家は、政情が不安定になりがちです。現在、このような「危険な中間地点」状態にある国が、全世界に約50カ国存在し、その大半が2030年になっても同様の中間地点にとどまっている可能性が高いです。

そして、このような国々はサハラ砂漠以南のアフリカや、アジア、中東に集中しています。

 

最後に

この本では最後に、2030年の時点におけるアメリカの国力や、国際社会におけるアメリカの影響力について複数のシナリオを提示しています。悲観論から楽観論まで論じられています。

アメリカ政府は、このような中長期的な情勢分析と、未来予測を提示することによって、インテリジェンスの重要性を示しています。そして、現在の日本政府に必要なものは、まさにインテリジェンスだと思えるのです。

 - 国際政治・経済 ,

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