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これが世界最大の投資ファンドの真実!「ブラックストーン」

   

ブラックストーンは、1985年にアメリカで設立された世界最大のプライベート・エクイティ(未公開株投資)会社です。

ブラックストーンが世界最大の投資ファンドとなるプロセスを通して見えてくるのは、景気循環は繰り返すという点や、景気後退局面では必ず起きる事象があるといった法則性のようなものです。

企業において、設備投資や投融資を決定する立場のビジネスマンや経営者の方には、この上ない良書です。ぜひご覧下さい。

LBO(レバジッレジド・バイアウト)を金脈と見抜く

ブラックストーンは、プライベートエクイティ業界で旗を挙げましたが、主に流行っていたLBOの手法を用いて業容を拡大させました。

LBOとは?

LBOとはレバジッレジド・バイアウトのことです。

LBOとは、主としてプライベートエクイティファンドなどによる、買収先の資産及びキャッシュフローを担保に負債を調達し、買収した企業の資産の売却や事業の改善などを買収後に行うことによってキャッシュフローを増加させることで負債を返済していくM&A手法である。少ない自己資本で、相対的に大きな資本の企業を買収できることから、梃(てこ)の原理になぞらえて「レバレッジド・バイアウト」と呼ばれる。また、こうしたM&Aに対する金融を「レバレッジド・ファイナンス」と呼ぶ。(Wikipediaより)

買い手であるブラックストーンは、ほとんど自己資金を使わず、金融機関から融資を受けるにあたって自社の資産を担保に差し出すこともありません。金融機関からの融資の担保となるのは、買収対象となる企業であり、借入金を返済するのも買収された企業なのです。

このため、ブラックストーンが買収対象とした企業は、買収のために背負った有利子負債の利子を支払えるだけの売上高と利益があり、しかも企業価値が向上する見込みのある企業でした。

 

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LBO業界が成長した背景

LBO業界の成長が加速した背景には、LBO業界に流れ込む資金量(出資と融資の両面)が拡大したためです。1970年代後半から1980年代初頭にかけて、保険会社などの機関投資家が運用資産の一部を新興のLBOファンドに振り向けるようになったためです。

また、中東オイルダラーで潤ったアメリカの銀行や、アメリカのM&Aに一枚噛みたいという日本の銀行から大規模な融資が流入しました。

そして、新しい資金調達手段も生まれました。「ハイイールド債」で、一般的にはジャンク債と呼ばれている債券です。ジャンク債が登場するまでは、社債を発行できるのは優良企業に限られていました。リスク許容度の高い投資家が、ジャンク債を次々に購入したのです。

ハイイールド債とは

格付け機関が行なう格付けにおいてダブルB以下、即ち、S&P社ならBB以下、ムーディーズ社ならBa以下に格付けされた債券を指す。ハイイールド債は、一般的に信用格付けが低く、元本割れが発生するリスクが高い分、利回りは高く設定されている。投資資金を回収できず失う可能性が高いため、ハイイールド債は投資に精通したプロ向きの債券と言える。(Wikipediaより)

 

景気は循環する

景気後退局面に入ると、LBO業界に及ぼす影響への不安が高まります。

景気上昇局面のピーク時においては、ジャンク債の発行残高は過去最大規模にまで積み上がります。

ところが、1989年後半の景気後退局面や2000年のITバブル崩壊、2008年のリーマンショックにおいて、金融市場では銀行や債券投資家の間で、市場が過熱しているという懸念が深まった結果、ジャンク債の取引価格が下落しました。投資家はリスク資産からは資金を引き揚げ、安全資産に逃げたのです。

そして、LBOを終えたばかりの企業の多くが、多額の債務の重みに耐えかねて倒産するのではないかという懸念を持たれ、銀行業界はLBOに対する新規融資を一切打ち切ります。LBO業界はレバレッジの倍率が高いですから、資金調達装置がエンストを起こすと信用収縮が急激に発生します。

 

市況産業への投資についての教訓

ブラックストーンは、企業買収の案件のなかで損失を被ったケースには決まったパターンがあることに気が付きました。それは、いずれも損益が景気に大きく左右される市況産業という事実でした。

市況産業の会社を買収するにはタイミングが全てです。景気循環において買収する時期が早すぎたり、遅すぎると買収した企業が過剰な債務を抱えてしまい損失を計上することになってしまいます。

しかし、タイミング良く景気循環の谷でLBOを実施すれば、大規模の利益を得ることができます。

 

LBO実施にとって重要なこと

いかなる状況においても債務が返済されるという確証がなければ、銀行はブラックストーンの買収案件に融資をせず、投資家は買収先企業が発行する社債を購入しようとはしません。つまり、LBOで重視されるのは、買収先企業のキャッシュフロー創出能力です。

そして、買収先企業の企業価値を、キャッシュフローの何年分に設定するかで、買収の成否が決まってきます。

 

読み終わって

2007年、ブラックストーンは株式を公開しました。この株式公開は、過去5年間で最大のIPOであり、ブラックストーンは名実ともにウォール街のトップ銀行と肩を並べる存在となりました。

ブラックストーンは、過去の何回かの景気循環を経て、レバレッジの力だけに頼ったり、買収した企業を解体するだけで利益を確保するのではなく、買収した企業の事業を本質的に改革することによって、企業価値を高めることにも力を入れるようになりました。

アメリカ経済が、今日においても躍動感を保ち続けている理由は、ブラックストーンを代表する巨大プライベートエクイティが、買収企業の企業価値創造に腕力をふるっていることも要因のひとつと言えると思います。

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