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表舞台 裏舞台─福本邦雄回顧録

   

この本は、竹下元首相や中曽根元首相と親しく、政界のフィクサーと呼ばれた福本邦雄氏の回顧録です。政界の中枢に身を置き、ときにはプレイヤーとして行動してきた著者による、政治の世界に対する洞察が明らかにされています。

杓子定規に「政治家=悪」と認識している人です。また、上昇志向の強いビジネスマンの方、ぜひ読んでください。

権力者になるためには組織の掌握が必要

中曽根首相が任期満了で退陣することになり、その後継を巡って、竹下登、安倍晋太郎、宮澤喜一の3氏が争いました。このとき、後継者は竹下氏と安倍氏の2名に絞られ、結局、竹下登氏が後継の総理・総裁の座を射止めました。

このとき安倍氏は、「自分は外務大臣を4回もやった。知名度も高い。どうして自分は総理になれないのか」と愚痴をこぼしたそうです。すると、著者の福本氏から「自民党というのは組織なのだ。外務大臣として海外にばかり行って、組織を握っていなかった。それが、あなたが後継総理になれなかった一番致命的な欠陥だ。あなたが外務大臣の間、竹下さんはコツコツ組織にしがみついて、緻密に人間関係の網の目を張りめぐらした。」と諭されました。

権力者になるためには、組織の掌握が必要なのです。

 

審議会について

各省庁や政府で、多くの審議会が設置され、多くの財界人や学者が参加しています。しかし、一流の学者は参加していません。一流の学者というのは、真剣に研究に打ち込んでいて、政治家を相手にして、答申の内容が本当に実現するかどうか分からないことを、安い報酬で取り組みません。

政治家のブレーンと呼ばれる財界人や学者という人たちは、「遊泳術が巧み」な人たちなのであり、審議会政治を始めた中曽根総理は、彼らを使って政治家の審議権を奪い、大統領型政治を実施したのです。

 

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竹下登式「勤務評定」

竹下元首相は、国会議員の経歴を点数化してグラフを作っていました。

大臣を一回務めると1点です。重要閣僚であれば1.5点となります。党3役も1.5点です。こういった基準で、すべての国会議員の経歴を時系列に点数化する作業をしていました。

これをグラフにしてみると、誰が、何歳で大臣になり、何回大臣になれるのか、あるいは党3役を務めることができるかということが、おおよそ推測できたそうです。そして、グラフにしてみて、折れ線グラフが水平になっている政治家は将来性が低く、右肩上がりに点数が増えていく政治家は将来性が高く、総理大臣候補として有力だったようです。

このような独特なグラフを作る竹下氏という人物は、口数の少ない政治家でしたが、やはり一種の天才政治家でした。

 

一口一万円の巨大な後援会組織

竹下元首相は、広く薄く政治献金を集めていました。これは、佐藤栄作元首相の教えです。佐藤氏のような官僚出身者は、一か所からまとめて多額の献金を受け取りません。一気に多額の金を提供する人物は、危険なのです。つまり、オーナー経営者で勝負を賭けてくるケースなのです。ですから、一か所から多額を受け取れる政治家は、ある程度の出世はできますが、決して総理大臣にはなれません。

竹下氏は、日本全国に一口一万円という小口で、数千社の会員を作りました。広く薄く資金を集めることにより、政治基盤を固めたのです。これは、竹下氏の事務所スタッフの事務処理能力が高かったということでもあります。

 

田中角栄へのクーデター

竹下氏は総理大臣を目指すために、田中角栄元首相に対してクーデターを起こしました。「創政会」の旗揚げです。

このとき、田中元首相は猛烈に巻き返しに出て、金丸氏の気持ちが非常に揺らいだそうです。金丸氏は田中邸へ出向いて話し合いに応じようとしたそうですが、それを止めたのが小沢一郎氏でした。

小沢氏は「いったん決起したからには、最後まで動揺すべきでない」と言いました。このときの決断は、他の創政会メンバーには見られないもので、全く揺らぎがありませんでした。非常時の決断において、小沢一郎氏は竹下派のなかでも群を抜いていました。

 

小沢一郎という人物

小沢一郎という人物は、力はありますが欠陥車です。彼は、竹下内閣の官房副長官のとき、日米通信問題(モトローラの日本への参入問題)を解決しました。力もあり、企画力もありますが、情がありません。徳がないのです。

政治の世界とビジネスマンの世界は別世界と思いがちです。しかし、「組織を掌握しなければ権力者になれない」という言葉には、会社という組織にも当てはまると思います。組織を掌握していない経営者は、実行力に乏しく、しばしば業績悪化を招きます。

 

本書は、ビジネスマンとして成功するために、どういった要素が必要なのか、それを示唆してくれています。

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