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創業者の克己心をみる!「ユニクロ帝国の光と影」

   

この本は、2010年に雑誌「週刊文春」の企画で、ファーストリテイリングの創業経営者である柳井正氏についての取材記事をまとめたものです。取材をとおして、その光と影を浮かび上がらせています。

創業者オーナーが経営している会社への転職を検討しているビジネスマンは、気になるところではないでしょうか?

柳井正という人物

メディアに映る柳井氏を見ると、陽性の人物に見えますが、柳井氏に直接会ったことのある人によると、その素顔においては陰性の側面が強いです。

 

ファーストリテイリングという会社

ユニクロの経営で幅を利かせているのは、財務諸表のような具体的な数字よりも、柳井氏の説く精神論です。

例えば、柳井氏が「今の売り場は最悪です」とか「今の商品はまったくなっていません」というと、経営陣全員が柳井氏に頭を下げるのです。柳井氏は具体的に、1年前や2年前と比べてどの点が最悪なのかという指摘はしません。

「ユニクロは、まだ世界レベルで見たら▲点です」のような檄を飛ばして、社員に対して常に反省を強いて、それによって目線を高くして商売に取り組ませているのです。

一言でいえば、言い訳を一切許さない企業カルチャーです。

 

広報活動に対する考え方

柳井氏のPR活動に関する考え方は、マスコミ媒体に頼るだけでなく、ユニクロに関係している人、社外の人で影響力のある人全員に商品を送るべきというものです。

足で稼いで広報PRをしなければならないのです。広報は、TVにお願いするイベントのようであってはならないという考え方です。

 

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内部監査

ユニクロの店舗数が増えれば、柳井氏が全店舗を見て回ることはできなくなります。そこで生みだされたのが、「内部監査」というチェックシステムです。

半年に一度は、各店舗に本社から内部監査を行い、店の状態をA・B・C・Dの4段階で評価します。忙しい時間に店員が迅速に動けたか否かや、控室のロッカーのカギがちゃんとかかっていたのかなど、店の隅々までデジカメで撮影されるのです。

そして、翌週の月曜日か火曜日に柳井社長が出席する会議で店舗の写真が映し出されて、一店舗ずつ俎上に上げられるのです。店長の降格人事につながることもありますので、店側のプレッシャーは相当大きなものです。

 

従業員に対する峻厳な管理

ユニクロでは、「ユニクロ基準」なるものが設定され、頭髪や服装について下記のとおり細かく定められています。

  1. スタッフ同士は私語を交わしてはならない
  2. 男性の髪の毛は耳にかからない長さにすること
  3. 後ろ手を組んだり、腰に手を当てないこと

 

退職した社員は、なぜ口が堅いのか

ファーストリテイリング社は、退職する社員との間に、「3年間は、ユニクロの業務については何もしゃべらない」とする守秘義務契約を結んでいます。

しかし1990年代後半に、柳井氏の右腕と呼ばれた取締役が退職し、ライバル企業の青山商事のカジュアル部門に転職しようとしたとき、ファーストリテイリング社はユニクロの業務で知り得た情報を同業他社に持ちこむのは問題だとして、この人物の青山商事を入りを阻止しようとしました。

この出来事以来、ユニクロを辞めたあと、外部でユニクロのことをベラベラ喋ったら柳井氏が地獄の底まで追ってくるというのが、ファーストリテイリング社内の共通認識として確立されたのです。

 

柳井氏は一緒に働く人間を壊す

ファーストリテイリングは、フリースブームに乗って大きく業績を伸ばし、2001年8月期の売上高は、1998年8月期の売上高の5倍以上の4185億円となっていました。

しかし、ブームの反動は大きく、2001年秋から約2年間は売上高が前年実績を下回る状態となりました。

この時期、柳井氏は副社長だった澤田氏に怒りの矛先を向けました。柳井氏のようなワンマン経営者は、仕事をする距離が近くなればなるほど危険です。矛先を向けられるのです。

ワンマン経営者は周りの人間に気を遣いませんし、朝令暮改は当たり前です。柳井氏という人物は、一緒に働きたいと思える経営者ではありません。柳井氏のやり方は、一緒に働く人を壊します。

 

後継者問題

幹部クラスで中途入社する人材にはハードルが待ち構えています。

店長をはじめとして現場の人間から「この人はユニクロのオペレーションを理解しているのか」という突き上げです。そして、新しくきた部長は何も理解していないという報告が現場から柳井氏へ届くと、「おまえはクビだ!」となってしまうのです。

これでは後継者が育つはずがないのです。

 

ユニクロといえば、好業績で高株価の企業であり、絶えずマスメディアの話題にのぼる有名企業です。しかし、その企業の内側では、過酷ともいえる従業員管理が実施され、従業員が心身ともに疲弊していく様子が感じ取れます。

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