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日本を取り巻く国際情勢を知れ!「この国を脅かす権力の正体」

   

著者の菅沼光弘氏は、公安調査庁で対外情報活動部門を中心に、旧ソ連、中国、北朝鮮の情報収集に従事し、対外情報の総責任者である調査第2部長を務めた人物です。その菅沼氏が、新聞やTVでは報道されない、日本を取り巻く国際情勢のインテリジェンスの一部を披露しています。

中国や朝鮮半島の企業と取引関係のあるビジネスマンはぜひ知っておくべき内容になることでしょう。

オバマ大統領は安倍総理に対して冷淡

安倍総理が掲げる日本国憲法改正などの自主独立路線、従軍慰安婦問題への日本の対応、対中国関係などの強硬な政治的方向性に対して、オバマ大統領は快く思っていません。

 

韓国の方向性

歴史的に、韓国の特徴は事大主義の国という点が挙げられます。

韓国は、すぐ隣に、中国という大国があるために、強大な国に付き従って生き延びようとします。そして、いま中国が大国として台頭してきており、中国に接近することが韓国にとっての利益という判断になっています。

 

朝鮮半島をめぐる日本の思惑

現在の日本と北朝鮮との交渉の道筋には、日本は過去の植民地統治について北朝鮮に賠償請求権を放棄させる代わりに、日本が経済援助をするという着地点が描かれています。

そして、日朝交渉が妥結すれば、1兆円や2兆円といった巨額の経済援助によって、北朝鮮のインフラ整備が行われることになっています。

漢江の奇跡

かつて、1965年に日韓基本条約が結ばれて日本と韓国の国交が正常化しました。このとき、韓国は日本に対する国家賠償や個人補償などの対日請求権を放棄し、代わりに日本は韓国に対して総額8億ドルの資金援助をしました。当時の韓国の国家予算は3億5000万ドルです。

この結果、韓国経済は「漢江の奇跡」を成し遂げ、飛躍的に発展しました。別の観点からいえば、韓国経済は日本経済の影響下に入ったのでした。

そして、現在の日朝交渉が進展して同様のことが実施されれば、朝鮮半島全体が日本の経済的支配を受けることになります。

第二次安倍内閣のとき、飯島勲内閣官房参与が北朝鮮を訪問しました。これは、安倍総理と菅官房長官だけで極秘に進められたものです。ところが、アメリカと韓国は露骨に不快感を示しました。日朝国交正常化については、アメリカも韓国も反対なのです。

 

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民主党政権の「東アジア共同体構想」

2009年に民主党が政権を取ったとき、鳩山総理が「東アジア共同体構想」を掲げました。欧州連合のアジア版のようなビジョンです。日本の自主独立という考えでは良かったのですが、鳩山総理は方法を間違えました。

アメリカは、戦後一貫して日本が周辺諸国と緊密に手を結ぶのを嫌っていましたので、鳩山政権はそれなりの戦略を持つべきでしたが、何もなかったため、「そんなものは、とんでもない」とアメリカから一喝されて潰されてしまいました。

 

日本の採るべき戦略

日本はアメリカとの関係と同時に、中国、ロシア、韓国、北朝鮮などとも関係を築いていかなければなりません。

しかし、日中友好で経済的利益のみを追求していると、中国との関係で対等な関係を保つことができず主権を失うことになってしまいます。かといって、中国を刺激するような外交を展開すると、紛争発生を警戒して、アメリカが介入してくるかもしれません。

米ソ間との狭間で揺れる日本の国益

また、安倍総理がロシアのプーチン大統領と何度も会談して、日ロ間で外務大臣と防衛大臣どうしの「2プラス2」協議を始めることになりました。これについては、アメリカは相当カチンときているでしょう。

国際政治における日本の立場は、日米同盟が基本にあります。そして、いまでもアメリカは日本の領土内に基地の提供を受けていますが、なぜアメリカが日本を必要としているかを考えないと、事の本質は見えてきません。

アメリカは尖閣諸島や竹島、北方領土問題については、つねに紛争の種を残すようにして、日中・日ロ・日韓が結びつくのを警戒しています。アメリカは、日本が実際に紛争を起こすことも、逆に、日本が相手方と緊密になることも警戒しているのです。

アメリカとの関係で、日本の国益をどのようにして貫いていくか、アメリカとは厳しい駆け引きをやっていく必要があります。

 

日本の新聞社もTV局も、情報の受け手が「一般大衆」であるため、伝えるべき情報を情緒的に報道する傾向が見られます。

また、視聴者や読み手の正義感に訴えることさえあります。そして、編集権を行使して、新聞社やTV局が伝えたい方向へ報道内容を編集することもあります。

しかし、現実の国際政治は、日本のマスコミが考えるよりも、あまりに冷徹です。そこには情緒的な発想は一切介在しないのだということを、この本は認識させてくれます。

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